今シーズン限りで、戦力外になった小石投手。トライアウトではマウンドに立ち投球前には大声で挨拶して関係者の注目を集めた。3人の打者相手に無難な投球をしたものの、どこの球団からもオファーが届かずに無念の引退を決意した。
小石本人は戦力外になったことを真正面から受け取ることができなくて、泣いたそうだ。
しかし野球が好きだからこそ、もう一度マウンドに立ちたい。
そうした思いからトライアウトを受けた。
そうして、オファーを待つことの時間の長さ。
自分でも経験あるが、いやなことや不安なことを解決できるまでの答えが見つかるまでの1分1秒の長いこと。
おそらく小石自身は家族に言えない部分を腹に抑えて、引退を決意したのだろう。
さて、2011年ドラフト2位指名で入団してきた変速左腕に、僕も正直大きな期待をしていた。
それは先発型の左腕としての期待だったが、チームの方針はそうではなかった。
たらればの話になるが、最初から先発ときめて体つくり、フォーム修正などをきちんと決めてマウンドに上げてやったら、結果を出していたかもしれない。またライオンズ以外の球団に入団しておれば、まだ来シーズンでも戦力としてマウンドに立っているかもしれない。
人間の運命というのは、自分でどうすることもできないときがある。
サラリーマン社会と同じで、人事評価制度というのがあって、部下である自分の上司が本人の評価をする。
この人事評価査定によって、昇給、昇進が決まっていく。
極端に言えば、自分の生活を上司である他人に決められていく。
他人から決められるレールに乗って、生きていかなければならないのがサラリーマンだ。
小石だって、思うことはあっても、コーチや監督に直談判できずに、モヤモヤしていた時期もあったろう。
しかし契約という二文字に縛られて、自分が思った道を進めなかったこと後悔もあるだろう。
引退を決意した小石の心情を思い量ることはできないが、巨人の打撃投手になった。
ただ単に行き先がなかったから、その道を選んだのか?
いやいや、勘ぐれば、巨人の支配下を勝ち取るべく打撃投手を買って出たのか?
はたまた巨人サイドから、打撃投手→支配下のオファーがきたのか?
一度引退したから、二度とプロに戻れないことはない。
自分を信じて巨人の裏方に徹する小石の情熱は冷めているのか、まだ燃え続けているのか?
変則左腕がセ・リーグで通用する可能性が大きいだけに、今後の小石の活躍にも注目しておきたい。
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