西武ライオンズの前身、西鉄ライオンズの黄金時代を築いた名ショート豊田が亡くなった。僕が小学生のころから、ラジオから聞こえてくる実況放送に耳を立てて応援していた。
ここ西鉄ライオンズの本拠地平和台球場。ゲーム差0.5で迎えた2位西鉄ライオンズと首位の南海ホークスとの3連戦。
パリーグ優勝を懸けた戦いが始まろうとしています。
カクテル光線に包まれた平和台球場には32000人の観客で超満員です。
ライオンズがエース稲尾、相手の南海ホークスもエースの杉浦。
緊迫した投げ合いが6回まで続き0:0
しかし7回表にゲームが動いた。この回先頭の一番バッター広瀬に稲尾がこの試合初めて四球を与える。
そして3球目にすかさず盗塁。キャッチャー和田が懸命のスローイングも及ばず52個目の盗塁成功。
広瀬のパリーグ盗塁王も確実となった。
その後、二番の岡本を三振、代打大沢ファーストゴロの間に広瀬が三塁に進塁。
二死三塁で四番の野村を迎える。
カウント2ボール1ストライクの後、稲尾得意のスライダーを野村が泳がされて、平凡なショートゴロ。
ここでスリーアウトかと思ったが、なんとショートの豊田がトンネルで、ついに0:0の均衡が破れ南海が1:0とリードしたまま、杉浦続投で、ついに9回裏を迎える。
この回、8番キャッチャー和田がセンターフライ。9番稲尾に三原監督は代打を送らず、そのまま打席にたつも三振に倒れツーアウト。そして一番バッター高倉がカウント3ボール2ストライクから粘りに粘って、右中間を破るツーベースを放ち一打同点のチャンスに2番豊田が打席に。
エラーをした豊田には南海ファンから、そして味方であるはずのライオンズファンからも痛烈なヤジが飛び交う中、杉浦に1ボール2ストライクを追い込まれる。そして杉浦が投じた4球目を持ち前の豪快なフルスイング!
豊田打った!!
大きい!大きい!センター大沢バック、バック!!
入った? 入った!!
入りました~~(絶叫)
豊田22号サヨナラ2ラン!
完封目前の杉浦ガックリと膝を落としてマウンドで呆然としています。
背番号7がゆっくりダイヤモンドを回っています。
豊田の嬉し涙がカクテル光線に照らされて光っています。
まさに値千金のサヨナラホームラン。
エラーを帳消しにした豊田が男泣きです。
ついに、ついにライオンズが首位に立ちました!
・・・とこんな具合でラジオ観戦に明け暮れていました。
それいらい豊田が好きになり、ライオンズを愛して、小生から、中学、高校まで野球漬け。
特に背番号7番でショートにこだわっていました。